ファクタリングを利用する前に押さえておきたい点を説明!クレカ現金化とは違う
目次
最近ファクタリングという言葉が経営者の中で話題となっています。多くの業者がサービスを開始しておりますので、一体どのようなサービスなのか詳細に解説させていただきます。
また個人向けの給料ファクタリングについても説明させていただいておりますので、ご参考にしてください。
ファクタリングとは何か
ファクタリングには、主に5つの種類があります。
買取型
買取型のファクタリングは売掛金を現金化できるサービスのことです。現在話題となっているのがこのサービスのことでファクタリングと言えばこの買取型だと認識していても差し支えないでしょう。
売掛金とは、商品やサービスを販売した後に顧客に請求できる金銭のことです。一般的に小売店や飲食店など個人相手に商売する場合はその都度お金が入ってきますが、建設業や製造業など企業相手ですと当月発生した売上を翌月末に支払われます。
この為1か月の間に仕入れ先の支払いや、従業員の給料などの経費がありますので、サイクルがくるってしまうと資金繰りが厳しくなる企業もあることでしょう。
そんな時はファクタリングによって、売掛金を先に手にできますので、このような問題を解決することが可能となります。
保証型
保証型とは少し言い方は悪くなりますが、ファクタリングを考えているような経営が厳しい企業と取引をする時に、もしも倒産してしまった場合などに保証会社が支払ってくれるサービスです。保険のようなものです。
一括ファクタリング
一括ファクタリングは手形のようなものです。売掛先が支払いを先延ばしにしたい時に利用するのが手形取引ですが、一括ファクタリングは代用となります。手形では管理や事務手続き、印紙代などの負担が債務者側にありますが、一括ファクタリングでは手形が廃止され業者が代行してくれるメリットがあります。業者と言っても大手銀行しか行っていないサービスです。
国際ファクタリング
国際ファクタリングは輸出先の企業から代金の回収を行ってくれるサービスです。海外の企業相手ですと、未収金を回収するのも困難です。そんな時に代金を保証してくれるサービスです。
医療ファクタリング
医療ファクタリングは社保や国保に対する診療報酬を現金化してくれるサービスです。診療報酬は通常2~3か月後に支払されますが、先にファクタリング業者が支払ってくれるのです。
このように5種類ありますが、気になるのは売掛金を現金化できる買取ファクタリングでしょう。
買取ファクタリングの種類
この為、ここでは買取ファクタリングについて説明いたします。こちらも2種類あります。
3社間ファクタリング
まずは3社間のファクタリングですが、こちらが本来の仕組みだと言えます。3社とは利用する会社・ファクタリング業者・売掛先のことです。
お金の流れ
利用する会社は早期にお金が必要なため、ファクタリング業者と契約します。
↓
利用者とファクタリング業者の両社から売掛先に売掛金買取契約の通知が行われ、承諾してもらいます。
↓
売掛金を譲渡したファクタリング業者から3日ほどで入金があります。
↓
ファクタリング業者は売掛先から翌々月後に入金があります。
ファクタリング業者側にリスクがない点もありクレジットカード現金化の流れに似ています。この流れによって、ファクタリング業者は利用する会社に貸付する必要がありませんのでリスクが軽減されます。
その為手数料は5%~7%くらいと低くなっています。
デメリット
利用者は契約を結ぶ上で売掛先の了承を得る必要がある点がデメリットでしょう。このことにより利用する会社は経営悪化していると思わられますので、信用はなくなるでしょう。
2社間ファクタリング
信用を無くしたくない時はこちらの2社間ファクタリングがおすすめです。どの企業も信用第一な部分もありますので、こちらが大半となっています。
お金の流れ
契約すると、利用する会社はファクタリング業者からすぐに入金があります。
↓
月末や翌月末に売掛先から利用する会社に入金があったら、ファクタリング業者へ支払います。
この為、売掛先への通知は不要です。
デメリット
業者側のリスクが考慮されますので手数料は高くなり、相場は10~30%くらいです。
利息はどのくらい
ファクタリングはクレジットカード現金化同様貸金業ではないので利息は発生しません。先ほど説明した手数料が費用となるのです。
ファクタリング業者の例
ここで具体的にファクタリング業者のサービスを紹介します。平均よりもやや上の評価を受けている企業ですので、参考になるかと思います。
アクセルファクター
手数料 | 2%~20% |
入金時間 | 最短即日 |
限度額 | 1億 |
属性 | 個人事業もOK |
お申し込み方法 | 来店不要可 |
買取申込額は290億を超えているようです。
ファクタリング業者は日本に100社ほど存在しますので、よく比較してご利用ください。
ファクタリングは違法ではないのか?
債権の譲渡は日本の法律で認められた行為ですので違法には当たりません。
しかし、後述しますが、給料ファクタリングという個人の給料を買い取って業者で立替えるサービスは手形割引に酷似している為貸金業だとも言われています。その為無免許の業者は逮捕されていますのでご注意ください。
ファクタリングが流行している理由
ファクタリングサービス自体は日本では1970年頃からありましたが、その時代は手形で取引されていましたのでメジャーではありませんでした。
しかし手形は発行にお金が掛かったり、紛失してしまうなどのトラブルもある為ファクタリングに移ってきたのです。
そして数年前から流行している部分はオンラインの発展で、素早く来店不要で利用できるようになった部分があります。
2社間ファクタリングが主な理由
そして最大の理由は利用しやすい2社間ファクタリングができたからでしょう。1998年に債権譲渡登記制度が設立されて、取引先への債権譲渡の通知が不要になり2社間が可能となったのです。
債権譲渡登記制度の仕組み
ただしこのままでは取引先が債権を譲渡した証明もできなくなりますので、法務局に登記されるようになります。この為取引先が調べれば、利用者がファクタリング業者を利用したことは分かるようになっています。
コロナ禍も影響
もちろん不景気、そして更なるコロナの影響もファクタリングが流行している理由です。
審査について
ファクタリングは銀行やビジネスローンから融資を受けられない方が利用できるメリットはありますが、審査はありますので説明いたします。
2社間と3社間の審査の違いについて
審査が緩い方は3社間ファクタリングとなります。
ただし審査時間が掛かりますので、お急ぎの方は2社間ファクタリングがおすすめです。即日入金可能な業者も存在します。
必要書類
ファクタリング会社によって違いがありますが、一般的にこの辺りとなります。
- 決算書のコピー(一般的に直近3年分。税務申告済の押印が必要。)
- 商業登記簿謄本
- 印鑑証明書
- 相手先との契約書
- 発注書
- 納品書
- 請求書
- 取引における入金が確認できる書類など
審査内容
ファクタリングでは利用者だけでなく、売掛先も審査対象となります。上場している企業であれば評価も高くなるということです。入金遅れが多いなど、支払い状態が悪い場合は信用度が低いと見なされ審査に通らないケースもあります。
また、取引期間が長いほど評価されます。
売掛金の支払期日
そして、売掛金が入金されるまでの期間も重要です。期間が短い程、倒産のリスクが低くなるため、入金の日は早い方が望まれます。
信用度が高ければ手数料は下がり、低ければ手数料は上がります。
面談のアドバイス
そしてファクタリング業者が重視する点が利用者の人柄です。この点でも手数料が関係してきますので、面談を行う際のポイントを説明させていただきます。
質問に正確に答えるように準備する
相談内容や提出した書類に偽りがないか、正確に答えなければなりません。企業の経営者として、資金繰りなど全体的な把握ができている点も確認されます。
また、良い部分だけを話すより、不安に思うことも話した方が良い印象を与えます。先見性があると判断され、乗り越えることができる内容であればより信頼は深まります。このように誠実に答えることで、責任感が強いとも評価されます。
疑問点は一つずつ解決する
また、これまで浮かばなかった内容であっても、面談は最終審査となるため、質問するようにすると良いでしょう。疑問を残したまま契約を結ぶことは危険です。
当然ながら、面談の時刻を守ることは言うまでもありません。日時が決まり次第、スケジュールを確立しておく部分が重要です。
このようにファクタリングは審査が必要です。その為時間も掛かりますので、お急ぎの経営者の方はクレジットカード現金化もご検討ください。
ファクタリングの注意点
ファクタリングのデメリットは単に手数料が高いだけではないのでご注意ください。
銀行から融資をストップされる
もしもファクタリングを利用していることが銀行にばれてしまうと、融資をストップされて一括返済を求められてしまうケースがあります。その為事前に融資先の銀行にご相談の上決めてください。
悪徳業者も存在するため契約は慎重に
また、2社間ファクタリングでは3社間とは違い売掛金は担保とはなりません。このため融資と変わりがありませんのでこの点で問題が生じてくるのです。それは闇金などの悪徳業者の存在です。このファクタリングサービスは免許がないため、国からの指導がない無法状態なのです。
その為、不明確な内容で多くの手数料を取る業者も存在しますし、一括返済できない場合は貸付となり高い利息が発生します。ファクタリングサービスはメガバンクでも行っている商品ですが、闇金も存在する点を忘れないでください。ちなみに2社間ファクタリングは銀行や大手ファクタリング会社では行っていないサービスです。
その為利用するにはリスクが高いということです。
できるだけ郵送は避ける
この為、利用する時は口コミなどの評判を比較して優良店をご使用ください。
また、クレジットカード現金化や小口融資とは違い、取引する金額は高額です。その為郵送などで契約を済ますのではなく、ファクタリング業者のオフィスで契約するようにしてください。
償還請求権なしを選ぶ
償還請求権とは、売掛先が倒産などの理由から入金の見込みがなくなるケースを考慮したものです。もしも売掛先が倒産してしまうと、利用者側に請求がいきますのでご注意ください。ほとんどの方が償還請求権無を利用されています。手数料が安くなるからなどと言われて償還請求権有を選ばないようにしてください。
また、償還請求権は貸金業の免許を持つ業者でなければ付けることができません。その為貸金業者でなければ闇金の恐れがあり、最近横行しているファクタリング業者を装った闇金の手口です。
個人事業者向けのファクタリング業者は注意
また基本的にファクタリングは法人向けの資金調達サービスです。個人事業者やフリーランスの方はご利用できない場合もあります。
現在このコロナ禍で個人事業向けのファクタリング業者も増えてきており、YouTubeの広告などで目にした方もいらっしゃると思います。そのような個人向けの業者は闇金とあまり違いが無かったりするのでご注意ください。
必要書類の少ない業者は注意
個人事業向けのファクタリング業者の特徴は入金スピードが速く、その分必要書類が少なく審査時間も少ないのです。
しかし一見必要書類が少なくて手軽だと思われますが、30%以上手数料を取る業者が多いのでご注意ください。
ファクタリングよりもクレジットカード現金化の方が安全
ファクタリング業界の現状を説明してきましたが、限度額も高い為クレジットカード現金化よりも資金調達には向いているかもしれません。
銀行にばれない
しかし、クレジットカード現金化では銀行にばれるリスクが少なくなります。
また手数料も20~30%とクレジットカード現金化と変わりがありませんし、むしろ現金化の方が90%のところも多く存在するのでメリットがあるのです。
分割払いもできる
またファクタリングは分割払いができないのに対して、クレジットカード現金化は分割払いができます。法人カードは分割払いができないところがほとんどですが、一般のクレジットカードでも300万円ほど枠がある経営者もいらっしゃると思います。
そもそも取引先に交渉するのがベスト
現代の日本ではどこも苦しいのが現状です。その為取引先である仕入先に支払いを待ってもらったり、売掛先に支払いを速めてもらったり交渉すれば良いのです。交渉が面倒だ、信用を無くすと考えてファクタリング業者を使っても20%も手数料を取られてしまったら、利益もないと思います。
さらに1度限りで支払いスパンを回復できれば良いのですが、そう簡単に回復できないことでしょう。そうなると会社の利益をファクタリング業者に支払っているようなものなのです。
その為ファクタリングはよく見極めて必要な時だけに利用する必要があります。
個人特化の給料ファクタリングは高利息
またファクタリングでは給料(給与)ファクタリングが大きな問題となっています。ファクタリングは事業者向けのサービスですが、サラリーマンの方にも募集をかけているのです。
給料ファクタリングの仕組み
その給料ファクタリングでは給料明細を売掛金と見せかけて現金化するサービスです。お申し込みすると給料の6割程を即日入金してくれます。そんな暴利な手数料だと消費者金融やクレジットカード現金化を利用した方が良いと思いますよね。
給料ファクタリングの罠
しかしそこには罠があるのです。公式サイトでは買取手数料20%とファクタリング業者のような記載をしています。
しかしそこから手数料を20%ほど取るので、入金されるのは60%程となるのです。
アルバイトでも利用できるのか?
給料ファクタリングは正社員向けのサービスですので、属性が正社員の方以外はお申し込み不可です。この為窓口が狭まり閉業する業者も多いようです。
支払日について
支払いは給料日に設定されています。支払いをしないと、勤務先に債権を回収したからと言って脅してきます。
さらに支払できない利用者に延滞金や分割の利息として高金利を取っているので、利用しない方が良いでしょう。
給料ファクタリングの利用方法
給料ファクタリングの利用方法は書類さえ準備できればクレジットカード現金化よりも簡単にできるメリットはあります。
ステップ1.ホームページからお申込み
業者の公式ホームページにお申し込みフォームがありますので、利用者と勤務先の情報や給料を入力して申請します。
そして、下記の必要書類をメールで送ります。
- 運転免許証などの身分証
- 保険証
- 給与明細
- 給与が分かる通帳の記帳部分
ステップ2.審査
次に審査が行われます。給料ファクタリングでは在籍確認もあります。
ステップ3.振込
審査完了後給与額から手数料を引いた金額が入金されます。
ほとんど消費者金融と同じ流れです。違いとしてはご利用額が指定できず、全額ですので給料が多い方程手数料も高くなる部分があります。
追記
現在金融庁は給料ファクタリングが貸金業に当たるとして、逮捕されている会社が増加しています。
また廃業する業者も多いので出会う確率は低いでしょうが、まだSNSなどのネット上には存在しますのでご注意ください。
ファクタリングに関するよくある質問
- 審査ではどこを重視されます?
金融業の様に利用者の返済能力も見られますが、重視されるところは売掛先の経営状況です。
- 給料ファクタリングの手数料はどのくらい?
30%~40%です。
- ファクタリングを受けるにあたって保証人は必要になりますか?
保証人は不要です。この点が他の金融サービスとは違うメリットの一つでしょう。
- 赤字でも融資してくれますか?
ファクタリング業者ではその他も面を見て審査しているようで、ご利用可能なところが多いです。
- 利息は発生しますか?
いいえ。ファクタリングで発生するのは手数料です。返済時に手数料を含めて返金します。
- 分割にできますか?
いいえ。ファクタリング業者は貸金業ではないので分割払いはできません。
- 遅延損害金は発生しますか?
はい。一般的に年利14.6%の遅延損害金が発生します。