先払い買取(先払い現金化)業者は危険

最近先払い買取という新たな現金化サービスが流行っているようです。
しかし実態は新たな闇金で、現在集団訴訟を起こされています。そこで今回は被害に遭わないために先払い買取の仕組みや対処法を説明します。
この記事で分かること
- 先払い買取の仕組み
- 先払い買取のリスクと対策
- 後払い現金化業者と後払い決済現金化業者との違い
先払い買取(先払い現金化)の仕組みとメリット

先払い買取は一見すると買取店のようなサービスです。
しかしお申し込みの際にご希望金額を伝えます。普通の買取店ではいくらで買い取ってほしいとは思っていても、聞かれることは少ないです。
しかしクレジットカード現金化や貸金業の様にご希望金額が基準となるのです。
商品を写メで送る
そして審査の上契約できる場合は、お手持ちの商品を写メで送り、先払いで手数料を引いたご希望の買取金額が振り込まれます。
この後商品を送る形です。ここまでは数年前に流行した『CASH』のようなサービスですが、ここからが違います。
キャンセル料を取られる
商品を発送しても、業者から届かないと言われキャンセル扱いにされます。
そして期日内に法外なキャンセル料(違約金や手数料)を含めた買い取り代金を請求されるのです。具体的には入金された倍ほどの代金が請求されます。また他社を利用しては返済しと闇金を利用したような火の車状態となってしまう方が増えているのです。
最新の先払い買取業者の仕組み
以前は詐欺のような仕組みでしたが、逮捕者が出てから顧客と同意の上サービスを提供する仕組みが多くなっています。
キャンセル名目で手数料を取る業者の場合
初めから写真で撮る商品はネット上にある現物のない商品画像を送るように指示し、実際は商品は送らないので良いのでキャンセル料を接収する仕組みです。具体的な流れは
1.サンプル画像を送れば業者から振込があります
↓
2.返済期限内に手数料を入金して取引完了
返済期限について
返済期限については業者により2~3日のところがあれば、給料日に合わせてくれるところも存在します。
キャンセル料について
またキャンセル料については1.6倍~2.5倍のところが多くなっています。
商品買取業者の場合
実際に商品を買取る業者も存在します。こちらはJCBギフト券や収入印紙など金券が多くなっています。
流れは査定金額を入金された後に金券を送って完了する仕組みなのですが、問題点は買取率が悪いのです。公式サイトでは60%くらいとそもそも低いのですが、実際は手数料等の名目等で0%です。例えば1万円振り込んでもらったら、2万円の金券を送る仕組みです。
先払い買取業者は闇金のようなものですので、クレジットカード現金化業者や金券ショップの様に常識の範囲内の手数料ではなく、1回の取引で倍の利益を出す仕組みです。
先払い買取のメリット
一方メリットはクレジットカードが無くても利用できる部分があります。貸金業の信用貸しのような仕組みの為、何も換金する物が無くても利用できるのです。
審査が甘く利用できる人が多い
また先払い買取業者は貸金業者でもないので、総量規制の影響はなくこれ以上借入ができない方や金融ブラックでも利用できます。
先払い買取は合法?

人によっては便利なサービスに思えますが、法的な観点から見ると複雑な問題を抱えています。
貸金業法との関係
先払い買取は表面上「物品の買取契約」であり、直接的な貸付行為ではないため、原則として貸金業法の適用対象外とされています。
しかし、法律は形式よりも実態を重視します。以下のような実態があれば、先払い買取であっても「実質的な貸付行為」と判断される可能性があります。
商品の実態に関する問題
- 商品の写真や詳細な説明を求められない
- 商品の実在性を確認しない
- 商品の市場価値と買取価格が大きく乖離している
支払条件の問題
- 商品の実際の価値より大幅に低い支払金額(実質的に利息を取っている)
- 短期間での高額な「キャンセル料」設定
- 商品が届かない場合の違約金が異常に高い
取引の継続性の問題
- 同一顧客との反復継続的な取引
- 顧客の資金繰り改善を主目的とした営業
- 「また困ったら連絡してください」といった継続利用の勧誘
現状このような実態がありますので、無登録で貸金を行っているとして「出資法」「貸金業法」違反になってしまうのです。
古物商許可を持っていない業者はNG
先払い買取は中古品を買い取る行為であり、古物営業法に基づく「古物商許可」が必要です。この許可なしに営業することは明確な違法行為です。
先払い買取業者の古物商許可記載状況の実態
多くの先払い買取業者は、自社のホームページに古物商許可番号を記載していますが、その記載状況には大きなばらつきがあります。適切に古物商許可を取得している業者は、通常「東京都公安委員会 第123456789012号」のような形式で許可番号を明記しています。
しかし、注意深く確認すると、許可番号の記載がない業者や、記載があっても虚偽の番号を使用している業者も存在します。
また、他社の許可番号を不正に使用しているケースも報告されており、利用者は単に記載があるだけでは安心できません。この為事業者名が許可証の事業者名と実際の営業名が一致しているか、登録時の代表者と現在の代表者が一致しているか、そして登録住所と実際の営業所住所が一致しているかを確認する必要があります。
詳しい確認方法はこちらも参考にしてください。
先払い買取業者の対処法

先払い買取業者の対処法はまずは利用しないことです。
しかし先払い買取業者は現状違法とはみなされていない為、あらゆるネット上に紛れ込んでいます。その為間違って利用しやすいのです。先払い買取は一見すると新たなIT系の買取サービスだと思って利用される方がいます。
また現在流行中の後払い決済現金化(後払いアプリ現金化)と間違えて利用してしまう方が多いのです。そこで見分けを解説いたします。
後払い決済現金化との違い
後払い決済現金化業者とは『ペイディ』や『バンドルカード』などの後払いアプリを現金化してくれる業者です。これはクレジットカード現金化の様に購入した商品を買い取るサービスの為安全に利用できます。
後払い現金化業者とは
一方後払い現金化業者というものも存在します。これは業者が売りつけた情報商材などを後払いで購入して後で返済させるサービスです。後払い決済との違いは購入する際にご自身のカードを使うか使わないかです。使わない場合は無担保融資と変わりがありませんので、業者から高額な請求があるのです。後払い決済の場合はカード会社から請求がありますので、無利子なのです。
この闇金のような後払い現金化業者は先払い買取業者ととても仕組みが似ていますよね。そうです。後払い現金化業者が先払い買取を行っているのです。
先払い買取業者は闇金業者
先払い買取業者はもともと給料ファクタリングという闇金を行っていて、違法となり廃業させらえると後払い現金化を行い、三度違法と見なされた結果できた業態なのです。この為後払い現金業者はほとんど存在せずに、先払い買取業者です。
しかしおまとめサイトには後払い現金化業者で検索すると先払い買取業者の多くが出てきますので、合法な後払い決済現金化業者と間違えやすいのです。この為1つ目の見分け方はご自身のカードを使うかどうかです。後払い決済現金化業者のホームページを見ると、ペイディやバンドルカード、メルペイなどのブランドが表示されているので、基本的に表示されていないところは怪しんでください。
先払い買取業者の商品
一方先払い買取業者で取り扱いしている商品はこちらです。
- スマートフォーン
- ゲーム機
- 収入印紙
- 商品券
- シャンパン
などお手元にお持ちのものやお近くで購入しやすい商品となっています。ホームページの目立つところに掲載されていますので、怪しんでください。
先払い買取業者は勤務先や給料明細が必要
またお申し込みの際に一般の買取業者や現金化業者では必要のない勤務先の情報や年収、給与明細が必要になります。この部分から金融業者だと思いますよね。
また最近はばれにくくするために、LINEで申し込みさせるようなところもありますのでご注意ください。一般的にお申し込みフォームや電話ではなくLINEのみでやり取りするところは違法業者が多くなっています。
振込しないとどうなるのか
普通の方は契約したら振り込み(返済)すると思いますが、振り込まなかったら闇金の様に取り立てがあります。勤務先は伝えているので連絡がいったり、SNSで個人情報を拡散するなどと脅しがあります。
5chでも話題の先払い買取
5chでも話題となっておりますのでもしも利用されたい方は参考にすると良いかもしれませんが、私としてはお勧めできません。5chでは借りパクできた業者の話題に溢れているからです。先払い買取業者は振り込んでくれない顧客の為にとんでもない手数料を接収している理由がありますが、反社でもありますのでどんな被害に遭うか分からないからです。
優良な現金化業者名を使う
また先払い現金化業者の手口としてまっとうな現金化業者の社名を使うパターンが多いので間違わないようにご注意ください。この手口こそ闇金です。昔は有名な消費者金融の名をかたってDMを送っていたりしていたのです。最近のフィッシング詐欺と同じです。
まっとうな先払い買取業者は存在しない
また現在まっとうな先払い買取業者はほとんど存在しません。以前話題になったCASHも現在は後払いのみです(CASHも閉業しました)。まっとうな業者は数年前から違法性を指摘されてやめているからです。
現在利用中の方の対処法
すでにご利用中で返済にお困りの方は弁護士にご相談ください。取り立てを防止してくれたり、違法な請求をストップできる可能性があります。
追記:先払い買取業者が逮捕
2023年1月17日にようやくと言いますか、やはり初の先払い買取業者が逮捕されました。『茨城新聞クロスアイの先払い買取業者で違法貸金業』によるとトライという業者が、最大約140倍の高金利で貸し付けて貸金業法及び出資法違反で逮捕されました。
トライについて

トライの手法は前述した先払い買取の仕組みの様に、スマホなどを先払いで買い取ると装って、写真で現物を送るが届かないので違約金目的で貸し付けていたようです。トライは他にもサイトを運営しているようで、4億円もの利益を得ていたようです。
4億円ですので、何サイトも運営していると考えられます。
もしも先払い買取を利用していたら、警察から事情聴取がくるかもしれません。そうなると家族や会社にばれてしまうリスクもありますので、絶対に先払い買取は利用しないでください。
先払い買取業者に関するよくある質問
- 換金率はどのくらいですか?
実際の先払い買取業者の換金率は0%です。振込された金額の倍を返済する必要があります。また、90%と明記している業者も存在しますが、キャンセル料として30%含めた金額を返済しなければなりません。
- 違法性はありますか?
現在はグレーな状況です。しかし訴訟されているので時間の問題だと思います。
2023年に逮捕者も出ています。
- 勤務先に連絡は行きますか?
まずお申し込みの時点で在籍確認がとられます。 また返済しなければ勤務先にも連絡が行きます。先払い買取業者は闇金のようなものですので、消費者金融よりも取り立てはきついです。ご注意ください。
- 返済期限はいつですか?
商品買取型でもキャンセル型でも2~3日のところもあれば給料日に設定されている先払い買取業者が多くなっています。
- 無職・学生でも先払い買取は使えますか?
一部の業者では、職業や収入を問わず利用できるとしていますが、リスクも伴います。特に返送義務やキャンセル時の違約金の取り扱いに注意が必要です。利用条件は業者ごとに異なるため、事前に確認しましょう。
- 先払い買取はLINEだけで完結するって本当ですか?
部の業者では、申込から本人確認・査定・振込までLINE上で完結するサービスも存在します。ただし、LINEのみの対応はトラブル時の対応が難しくなるリスクもあります。電話番号やメール、会社住所なども明記されているか確認しましょう。